メッセージ

私は高校時代、甲子園を目指していた。
学校は、野球の強いところを選んだ。毎日野球づけだった。
しかし、3年間一度も試合に出たことはない。
グランドに立ったのは、三塁コーチャーとしての一度だけだった。
三塁コーチャーは、相手選手の肩の強さ、ランナーの足の速さ、試合の流れ、風の向きなど総合的な判断が求められる。
その判断が勝負を左右する重要なポジションだ。
その試合、ランナーとコーチャーの気持ちがひとつになり1点を取ることができた。
そのときのうれしさが今も心の奥に残っている。

電気工事の現場は、野球の試合に似ています。
工事現場は多くの職人さんや業者さんが自分の仕事をしています。
その人たちは、私たちの仕事を結果的にじゃまします。
私たちは、彼らの動きをかいくぐりながら、限られた人と限られた時間で、仕事をやり遂げなくてはなりません。
現場は、人と時間との戦いの場です。

現場は、学校に似ています。
新しい現場に行くと顔みしりの人もいますが、はじめての人もいます。
現場は、人との関係を深め、そして広げていきます。
現場は、仲間を作る場です。

現場は、部活にも似ています。
関わる人全員でひとつの目的のために仕事を進めていきます。
現場監督の指示に従ったり、自分で判断したり、監督とぶつかることもあります。
目的のために粘り強く最大の努力をします。

現場は、自分を成長させる場です。
私は、32歳で日成の社長をまかされました。今年で20年目になります。
私の大きな役目は、スタッフを一人前にすることとスタッフを健康な状態で家庭に帰すことです。
だから、厳しくするし、しつこく言うのです。

現場は、常に負けられない試合です。
もうだめじゃないかという瞬間もあります。
だが、この瞬間を仲間と乗り越えたときの安堵感が私は好きです。

知識があるだけでは役に立たない
技術だけでは人はついてこない。
どんな現場でもチームでやりとげる。

私は、強いチームを作りたい。
地元花巻を守るために。

代表取締役社長　菅野 卓訓